なぜ日本人の精神は二宮尊徳に行き着くのか?
『ラ・ヴェルテュ・コットン』が大切にしている二宮尊徳(1787年~1856年)。彼は幼名を金次郎といいます。少年時に両親と死別し、以後、貧しい暮らしの中で勤労に励み、独学で豊かな見識を育み、全国各地の困窮した600余の農村の救済に手腕を発揮しました。
その行動から培った知恵を、二宮尊徳が体系化して唱えたものが「報徳の思想」です。それは、様々な生活様式(仕法)として人々の暮らしに定着していき、その教えを百八文字にまとめたものが「報徳訓」です。
人間の欲を認めながらも、周りとたくみに調和させ、心もお金も同時に豊かに育もうという倫理思想は、農村救済の枠を越えて幅広い分野に浸透しました。渋沢栄一、安田善次郎、豊田佐吉、松下幸之助、土光敏夫をはじめとする、日本を代表する多くの経済人たちにも多大な影響を与え、今も脈々と息づいています。
なお、2003年からは、北京大学等から都市農村の格差是正思想として尊徳思想が評価され、国際二宮尊徳思想学会が隔年に開かれています。
二宮尊徳の弟子である岡田良一郎は報徳思想の普及に尽力し、地域の振興に努めました。
報徳思想を広める報徳運動
報徳運動は、明治維新前後の日本の近代化黎明期に、二宮尊徳の唱えた報徳思想の普及をめざし、道徳と経済の調和を説き、困窮する農民の救済をはかり、全国に広まりました。この静岡県掛川市周辺の遠州地方には安居院義道庄七がもたらしました。そして、尊徳高弟の岡田良一郎の指導活動が盛んだった掛川は、やがて全国の報徳運動の中心となり、「大日本報徳社」が開設されました。
トヨタグループの創始者である豊田佐吉も報徳思想を実践。
我が国を代表する企業であるトヨタ自動車。トヨタ自動車でも報徳思想が大切にされています。
報徳思想では、至誠・勤労・分度・推譲を行うことが重要とされました。これは経済と道徳の融和を訴え、私利私欲に走るのではなく社会に貢献すれば、いずれ自らに還元されると説く考え方です。
トヨタグループの創始者である豊田佐吉が生まれた静岡県浜松市周辺にいても、報徳運動がさかんでした。豊田父の伊吉は熱心に報徳思想を信じて実践しました。佐吉自身も自らの規範として報徳思想を行動の原点としていたのです。
1992年に「豊田綱領」に替わって「トヨタ基本理念」が発表されました
報徳の精神は、トヨタの基本理念として今日も継承されています。
報徳思想とLa Vertu Coton
公益社団法人・大日本報徳社の初代社長を務めた岡田良一郎の出身地、掛川市倉真にある市内最古の倉真報徳社が2019年に創立170年を迎えました。また記念の年に『ラ・ヴェルテュ・コットン』が産声を挙げたのも不思議な縁です。
私たち『ラ・ヴェルテュ・コットン』は、ここから報徳のスピリッツとライフスタイルを世界のみなさまに提供します。
私たちは報徳思想を後世に伝えることが大事だと考えます。それは私たちがこの報徳社を拠点としているためだけではなく、道徳と経済の調和を説く哲学を尊敬しているからです。私たちはその調和が持続可能な生産と社会を作り出すと信じています。
『ラ・ヴェルテュ・コットン』・・・報徳スピリッツが宿る浴衣をみなさまに
私たちの浴衣は尊徳が好んだコットンで、現代のアレンジと職人の魂がこめられて、ひとつひとつ作られます。
『ラ・ヴェルテュ・コットン』の綿に触れ、着ることによって、報徳の精神を感じられる気がします。
高温多湿な日本の夏でも快適に過ごすことができます。
どうぞ私たちの浴衣で報徳をお楽しみください。